【仮想通貨トレード戦略】「期待」がなぜトレーダーのリスクとなるのか

「期待」がなぜトレーダーのリスクとなるのか

トレードにおけるミスの多くは、市場の現実を見ずに自分に都合よく「期待」してしまうことから起きます。もちろん、毎回トレードをするたびに儲かるように期待することは当たり前のことです。すべてのトレーダは自分のトレードが良い方向に行くことを望み発注することは間違いないでしょう。しかし、この「期待」を適切に管理しなければ、あなたのトレードにとって害となる可能性があります。今日の記事はこれについて考えてみたいと思います。

 

期待とは何か

単純な意味としては、何かの出来事が自分にとっていい方向に動くことを信じる、ということでしょう。ですが、細かく分ければ、トレードにおける期待とは2種類あります。第1の期待というのはトレード中の話。もう一つは、トレードをしていない時の話です。これらの両方が、場合によってはトレードのリスクとなります。

まずトレード外での期待とは、例えばあなたが初心者トレーダーで、30万円からはじめて「1年で1億円トレーダーになったらどうしよう!」と期待するような場合のことです。これが不可能とはいいませんが、極端なリスクを取るようなことをしなければ、ほぼ不可能なことでしょう。つまり、こう期待してしまうことは、高リスクを取る可能性というリスクとなります。もし期待するだけでなく本当に1年で億ろうと思えば、少しの逆行でバンクロールを壊滅させるようなトレードをせざるを得なくなります。

これに対し、トレード中の期待とは、実際にあなたがトレード中に思うことです。「今このポジションは利益が出ていないが、一晩寝て起きたら暴落していて、大きな含み益がでないだろうか」というような期待です。

何かのイベントがあるとそれによって自分に都合のいい流れが起こることを期待するというのは確かにトレーダーの日常です。実際にそうなることもあるし、そうではなくても何かのイベントが値動きにどう影響するかはむしろ考えなければならないことではあります。

問題は、その予測を信じこんでしまい、市場が違う反応を示しても自分を騙し続けてしまうことです。更には予測に基づいたポジションを持っている場合、この妄想がさらに悪影響を及ぼす可能性があります。つまり、自分が予測した方向に市場が動かないのはおかしい、かならずこっちの方向に動くはず、と損切りをキャンセルし、自分が予測した方向にトレンドが反転するのを待ってしまうわけです。

そう、「自分の予測は正しい。ゆえに市場は間違っている。」という考えに陥ってしまうのです。もちろんその予想通り反転することもあるでしょうが、そうならない場合、損切りラインを大幅に超えたポジションを抱え、損切りできなかったり、最悪の場合強制決済されてしまうことになります。

 

期待があなたを殺す

期待することはあなたのバンクロールを崩壊させます。特に、現実的でない途方も無い予測をしてしまう人は危険です。自分のトレードは常に正しくマイナストレードなしであるべきという完璧主義な人がこれに当てはまります。

そういう人はもし自分の予測が間違っていても、それは自分が間違えたせいではなく、他の要因、つまり、政治が、国際経済が、機関トレーダーの判断が、大口の動向が、「間違っている」せいであると考えがちです。こうなってしまうと自分のトレードは常に正しいのだから反省することやトレードの分析なども全くせず、自分が負けるのは「仮想通貨が詐欺だから」という結論を出し、退場していきます。

もしあなたがこのように期待してしまう、また間違った期待とわかりつつも自分を騙してしまうような人であれば、この習慣を直さないかぎり勝ち続けることは出来ないでしょう。

 

期待に殺されないためには

これを治すためには、まずトレードにおいて予測というものはどんなに熟練のスペシャルなトレーダでも度々外すものであるということを理解し、自分の予測が外れてもおかしいことでも恥ずかしいことでもない、と自分にわからせましょう。

そして、自分の予測が外れたことにがっかりするのではなく、予測が外れたことを認められずルールを曲げてしまった自分にがっかりするようにしましょう。自分の予測が外れたことによる損失を恥じずに、ルールを曲げたことによって出してしまった損失を恥じましょう。もしルールを曲げて利益を得たとしても、恥じなければなりません

私もどんなに鉄壁のサポートラインだと思ってもそれが割れてしまったり、どんなに吹き上がりそうなブレイクポイントだと思っても騙しだったりすると、やはり平静ではでいられない時もあります。

すべてのシグナルが自分の勝利を示し、完璧に引きつけたタイミングで買いを入れ、完璧に5%の利益を抜けるはずだったのに、無常にも損切りラインへと急落してしまった時には、自分の今までの積み重ねが全く信じられなくなってしまうような時もあります。

そんな後はもうどうやってトレードしても負の期待値のほうが高いものです。そういう時はもうチャートを閉じて、さっさと寝てしまいましょう。もちろん、起きたらその晩の値動きを徹底的に検証しましょう。ここがいつでも好きなときに仕事ができるトレーダーの利点です。市場は逃げないのです。

 

期待を飼いならす方法

常に最悪の事も想定する

トレードをするごとに誰しも、そのトレードがうまくいく期待をするでしょう。同時に、必ずうまくいかないことを合わせて考えましょう(ただし、それによってトレードの判断を変えてはいけません)。

また、例えばトレンドラインやオシレータなどを使い、「ここがサポートだ」と確信したとします。その場合でも、「ここで絶対に反転する」という考え方はやめましょう。マーケットに100%はありません。例えば為替市場。だれが2016年春、マイナス金利導入にもかかわらずあそこまで円高に進むと予測できたでしょうか?どんなに確信したとしても、「ここで反転する可能性はかなり高い」程度に考えをとどめましょう。

また、すべての可能性を想定するということは、あなたの心をいろいろな情報に向けてくれるということです。一度自分の予想を信じてしまうと、それを覆すような情報が入ったとしても、多くの人はそのような情報を軽視してしまいます。人というのは、物事を自分が信じたいように見てしまうからです。

 

リスクを最小限に抑えるルールを徹底する

一番いい対策は、どんなに自分が楽観的な予測をしたとしてもリスクを限定するルールを徹底することです。もちろんこれは言うは易し行うは難しだと思うかもしれません。確かにいくらルールを作ってもそのルールを全く守れない人もいるでしょう。しかしそれでも、必要な分しか入金しないとか、指値・逆指値注文を出してあとは決済通知が来るまでアカウントからはログオフしておくとか、ある程度のやりようはあるはずです。

 

市場をもっと勉強する

説明してきたような妄想的な期待や思い込みは、結局市場に対する無知から来ています。市場のランダムウォーク性やバンクロール管理の重要性、リスク管理の徹底の必要性などを深く理解するようになれば、期待の悪影響というものは大幅に減らすことが出来ます。

 

まとめ

楽観的な予測や期待というのはいい面もありますが、特に経験不足のトレーダーにとっては悪影響になることは多いと思います。この記事で皆さんが(そして僕自身も)ある程度でも、市場に過剰な期待を抱かず、冷静に自分の感情をマネジメントできるようになれることを願います。