【書評】『仮想通貨革命』野口悠紀雄氏の先見の明に感服

野口悠紀雄『仮想通貨革命』

相場が難しい時はあえてポジションを持たない選択肢も良いものです。いまいち動かないポジションであれば、解消して別の通貨を調べるなども良いものです。私も昨日書いた残念トレードのビットコインポジションを解消し、ノーポジで1冊本を読みましたので、ご紹介したいと思います。

今回の記事では、『超勉強法』などでもおなじみの野口悠紀雄氏が執筆した仮想通貨に関する書籍。経済・金融に関して多くの著作を持つ経済学者の野口悠紀雄氏が仮想通貨をどう見たのでしょうか。

 

最近の仮想通貨ブームに乗った本ではない

最初に本書を手に取った時、おそらく昨年後半からの仮想通貨ブームの一連の流れにある本だと勝手に思い込んでいました。ところが読み進めてみると、Mt.Gox破綻についての解説など、少し情報が古い。よくよく調べてみると、なんと出版が2014年6月!オンライン連載を加筆したもののようで、連載としては2013年からという感じでしょうか?

世界的な流れから見ればこの2014年でも遅いですし、実は私も仮想通貨自体はシルクロード摘発の時のニュースなどで存在走っていました。しかし詳しく調べることはしなかったですし、日本ではビットコインがまだまだなんとなくの存在として、一部の人だけにしか知られていなかった時期にこれだけの内容のものを書いたのだから素晴らしい。

特に野口悠紀雄氏はもう70を超える年齢なわけで、一般的に高齢になればなるほど新しい概念を受け入れるのは難しくなるわけですから、その柔軟性は見習わなければなりませんね。もしこの本が大きな話題になっていたら、日本でももっと早く仮想通貨の話題が広まったかもしれません。非常に残念でなりません。

 

内容も丁寧にまとまってわかりやすい

とはいえ、古いことにより内容がいい加減/現代に合っていないのではあまり意味が無いわけですが、ここもさすが野口悠紀雄氏という感じで、ビットコインの基礎、ブロックチェーンの基礎から、これがどういう用途に使われるのか、どのように我々の社会、生活を変えていくのか、ということまでをきっちり抑えています。

根っこの部分の理解をきちんとして解説を書いておられるからなのでしょうが、2017年の今、ブームに乗って雨後の筍のように出てきた解説書よりよほど役に立ちます。最新の話題が乗っていなかったり、掲載されているアルトコインの例などが古かったりするくらいでしょうか。

 

イーサリウムの扱い

野口悠紀雄氏は、本書ではあくまで仮想通貨が今後の社会をどれだけ変えるかに重点を置いた立場を取っており、投資・投機の対象に仮想通貨を扱うことには懐疑的です。その純粋な目線からはやはり正しいものが見えてくるのでしょうね。当時としてはまだ話題に出始めであった「イーサリウム」をかなり好意的に紹介し、「スマートコントラクト」の素晴らしさを語っています。

もし本書を発売時に読んで内容を理解し、イーサリウムの投資などに手を出せていれば…。と思う人は多いかもしれません。

 

まとめ

2017年6月現在、野口悠紀雄氏の思いとは裏腹に、日本ではある意味「投資ギャンブル」としてビットコインが加熱しつつあります。確かに仮想通貨は投機としてはとても魅力的なものに思えますが、目先の動きに脅さられることなく、一歩離れて見るほうが、長期的な「投資」としての正解選択肢も導けるのではないでしょうか。

本書は続編の『ブロックチェーン革命』も出ているようなので、そちらも読んでみたいと思います。