【書評】『ブロックチェーン革命』堅実なブロックチェーン入門書

野口悠紀雄『ブロックチェーン革命』

相場が難しい時はあえてポジションを持たない選択肢も良いものです。いまいち動かないポジションであれば、解消して別の通貨を調べるなども良いものです。私もノーポジで1冊本を読みましたので、ごしょう

今回の記事では、『超勉強法』などでもおなじみの野口悠紀雄氏が執筆した仮想通貨に関する書籍の第2弾『ブロックチェーン革命』をご紹介したいと思います。経済・金融に関して多くの著作を持つ経済学者の野口悠紀雄氏がブロックチェーン技術とその未来をどう見たのでしょうか。

 

野口悠紀雄氏の筆によるわかりやすい解説

前作『仮想通貨革命』はレビューにも書いたとおり、2014年時点のまだまだ「うさんくさい」と思われていた時代に、ビットコインとブロックチェーンを紹介するというまさに先見の明に溢れた作品でした。

ところが本書が出版された2016年は当時とは状況が異なり、ブロックチェーンやビットコインについて世論がかなり好意的になっている状況での出版です。そのため、ある意味では無難な解説書のうちの一つという感じになってしまっています。

しかし、そこはさすがの野口悠紀雄氏。技術的により過ぎない解説で、ブロックチェーンとはなにか、どのように活用させるのか。我々の将来をどう変えていくのかを的確に解説してくれています。

 

「これから」を考えるのに良い本

本書を読んでも、今現在加熱している仮想通貨市場において、どれに投資するのが良いのかなどは正直わかるものではありません。ただし、この本で提唱されている、ブロックチェーンが作り出す未来を考えることによって、「今後どの分野が革命的な変化を起こすか」を予見できるのではないでしょうか。

たとえば先日、コンビニチェーンのビットコイン決済導入を検討という報道によりリミックスポイントが暴騰したことは記憶に新しいですが、それらも本書を読んでアンテナを張り巡らせていれば、読めた可能性は高いでしょう。

 

スマートコントラクトについてはすこし先を見すぎな面も

これは類書でもある『ブロックチェーン・レボリューション』でも同様に思いましたが(考えてみれば本書のタイトルはまさにこれと同名と言ってもいい)、スマートコントラクトを使った政治、経済、会社組織、予測市場などについては、「このようなこともできるかもしれない」という解説があるものの、ちょっと実現はまだまだかなと言う気はします。

理論的にはできる話なのかもしれないが、まず実装をどうするのか、法整備はどうするのかというような面はまだまだ追いついていないので、仮想通貨についても税制などでまったく整備不足であるような日本では、まさに「夢物語」といっていいおとぎ話のような状態ですね。

おそらくこの辺についてはエストニア等のIT先進国が先行し、それのレポートを待つというような形のほうが良いかもしれません。IT先進国であるアメリカでは逆に、トランプ政権でこの辺は後退するかもしれませんね…。

 

まとめ

本書は、野口悠紀雄氏のわかりやすい筆で、ブロックチェーンと仮想通貨の仕組み、そして我々への影響、未来の予測を教えてくれるものです。2014年時点での『仮想通貨革命』に比べれば周囲に埋もれてしまっている本かもしれませんが、それでもやはりキラリと光る部分のある解説書と言えるでしょう。